占いへの依存とカルトの危険性

占いは、迷ったときにそっと背中を押してくれる心強い存在です。けれど、付き合い方を間違えると、占いなしでは何も決められなくなったり、高額な商品を買わされたり、カルトの入り口になったりすることもあります。このページでは、占いの危ない面と、身を守るための付き合い方をお話しします。
占いは暮らしのあちこちにある
ひと口に占いと言っても、種類は数えきれません。血液型、誕生日、手相、人相、タロット、姓名判断……。新聞の生まれ月占い、雑誌の星座占い、ネットの占いサービス、街の占い館。占いは私たちの暮らしにすっかり溶け込んでいます。
子どもの頃、花びらを一枚ずつちぎって「好き、嫌い」と花占いをしたり、「明日天気になあれ」と靴を蹴り上げたりした経験のある人も多いでしょう。占いの歴史は古く、古代ギリシャやローマでは、いけにえの動物の内臓を見て吉凶を占っていたと伝えられています。
なぜ人は占いに頼るのか
毎日を暮らしていれば、悩みや苦しいこと、決断を迫られることがたくさんあります。いつもその壁に立ち向かう気力があればいいのですが、誰にも相談できず、前に進めなくなることもあるでしょう。
そんな不安を和らげる手段のひとつが占いです。迷っている自分を外から見て、背中を押してくれる。大きな決断から日々の小さなことまで、占いが心の支えになる場面は確かにあります。
しかし、その「すがりたい」という気持ちにつけこむ人たちもいるのです。
はまると怖い「占い依存」
占いに安心を求めるうちに、だんだんと占いがないと落ち着かなくなることがあります。
たとえば「彼との相性は?」と占って、血液型占いではいまいち、でも生年月日では最高、という結果が出たとします。すると、だんだん自分が欲しい答えを占いに求めるようになります。占いの種類を次々と変え、自分が納得できる答えが出るまで占い続ける。こうなると、もう依存です。
そのうち、本当なら自分で答えを出せたような小さなことまで占いに頼るようになり、大切な時間とお金、そして自分自身を見失ってしまいかねません。
霊感商法とカルトの危ないサイン
占いへの不安や依存につけこみ、高額な商品を売りつけたり、団体に引き込んだりする手口があります。「霊感商法」と呼ばれるもので、カルト的な団体の勧誘の入り口になることもあります。宗教団体による高額な献金が社会問題となり、2022年には悪質な寄付の勧誘を規制する法律もつくられました。
次のようなことを言われたら、要注意です。
- 「このままでは不幸になる」「先祖の因縁がある」と不安をあおる
- 「この壺(石・印鑑・お守り)を買えば救われる」と高額な商品を勧める
- 「今すぐ決めないと手遅れになる」と決断を急がせる
- 「家族には内緒にしなさい」と口止めする
- 何度も通わせ、そのたびに料金や献金が増えていく
- 占いのはずが、いつのまにか団体の集まりやセミナーに誘われる
まっとうな占い師は、不安をあおって物を売りつけたりしません。少しでもおかしいと感じたら、その場で決めずに持ち帰り、家族や信頼できる人に相談してください。
困ったときの相談先
- 消費者ホットライン「188(いやや!)」:最寄りの消費生活センターにつながります。高額な商品の契約や、断れない勧誘に困ったときに
- 身の危険を感じたら、迷わず警察へ
占いとの健全な付き合い方
では、占いとはどう付き合えばよいのでしょうか。
寄りかかりすぎれば自分を見失う怖さがありますが、少しだけ気持ちを軽くしてくれる助言として受け取ってみてはどうでしょう。人に言いにくい悩みを整理する、自分の考えに凝り固まった視野を広げる、うまくいかない流れを変える選択肢のひとつにする。そのくらいの距離感が、ちょうどいいのです。
「私にはこんな一面もあるのかも」と、自分の知らなかった面に気づくきっかけにもなります。
幸運は、うつむいている人より、笑っている人のところにやってくるものです。占いは、あなたが前を向くための道具。それ以上のものにしないことが、いちばんの身の守り方です。